小 春 日 和

だめなひとの雑記帳

嫌な夢を見た

実家の寝室で、死にかけている猫を楽にしようとあたまを割った。中は標本のようにからっぽで、作り物のようで、でも猫は生きていた。頭の中に、三等分された頭蓋骨をおさめたまま。
明け方だった。猫をつれて病院に行った。なんてことなかった、そんな診断だったと思う。
そこで目が覚めた。こんな夢を見たのは、以前、猫が轢かれる瞬間を見たからだろうか。目が離せなかった、早く荷物を届けねばならないのに、それを見ているのが当たり前のように足が動かなかった。後続車が、痛みしか分からずに陸に打ち上げられた魚のようにはね、尚も立とうとする猫を大回りで避けていく。
しばらくして、猫はぐったりと動かなくなった。そのまま死んでしまったんだと思う。
可哀想だとか、そんなことは浮かばなかった。仕方がなかったのだ、こんな世界のこんな場所に生まれてしまったのも。
誰にも聞こえないように口の中でお題目を三回唱えながら(宗教は特に信じているわけではないが、私にしてやれるのはそれだけだ)、なんとも言えない気持ちで配達に向かった。
なぜか、私の前で小さな生き物が死ぬのは、私が存在しているのと同じくらい嫌なのだ。