小 春 日 和

だめなひとの雑記帳

洗脳されている目

半ば、狂気じみている。そういう目を見てきた。

 

数年間連絡を取っていない、元バイト先の人だった。連絡先を交換したのも彼が寝坊をすることがあったからで、実際、それ以外に連絡を取ったことはなかった。そんな彼から突如連絡があり、呼び出された。そのときに限って私は、普段しないようなことを少しずつ取り入れていこうと考えていたところだったので、のこのこと出て行った。

喫茶店で急に始まる、何億と言う数字の話。そこから始めても、大体の人は興味を持たないのではないかと考えながら、大人しく聞いている。最終的に、詳しい話は自分から話しても伝わり方が違うから、今から呼ぶ人の話を聞いて欲しいというものだった。しばらく「興味がない」「話も聞かずに…」と埒があかなかったので、考え方の話に持ち込んだ。何度か、千円を叩きつけて帰ろうかとも思ったのだが、1000円と2時間を同時に失うのも馬鹿らしくなって、どうせなら面白い部分を見出してからにしようと考えたのだ。彼は残念がっていたが、それでも、考え方の話については興味を持ってくれたらしく、以降は普通に会話をした。ビジネスとやらの話をする彼は狂気じみた目をしていたが、会話をしている時は、ちゃんとそこにいたのだと思う。

 

空っぽだったんだ、と話していた。やっと、夢中になれるものを見つけたのだと。彼の言葉は、すべて受け売りだった。芯がなかった。だから伝わらないのに、恐らく他に原因があると考えているようだった。だから、こういうことに手を出してしまったのだろう。それが悪いとは思わない。ただ、急に呼び出して、更に誰にでも当てはまる条件(その条件についての詳細部分には、嘘はなかったとは思えたが)で私を呼んだと話し、更に急に知らない人の話を聞けと言う。私は彼と話に行ったのだ、ということを理解してもらえたかどうかまでは、分からない。

 

一番驚いたのは、すらすらと頭に文章が浮かび、それを読み上げているだけで色々と成立させていた自分自身だ。論理的に合っているかどうかは定かではなかったのだが、相手が押し黙ってしまうことがあったのだから、過度な破綻はしていなかったのだろうと思う。

私に話を聞かせたいのであれば、まず私の概念に合わせるべきだっただろう。その考え方・求めているものを理解した上で進める方向性を決めて、少しずつ気付かれないように引きずり込まないといけない。それでも芯を引っこ抜けるかどうかは、また別の話になるのだが。